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【MBP】世界のMJ通信
【自律型で、生きていく】
<2026.9.23号 Vol.080>
※毎週水曜日11時に発行
『VIVANT』別班の乃木憂助は、
どうやって選抜されたのか?
株式会社マネジメントバイフィロソフィア
代表取締役 森 淳
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■<1>MJの近況
■<2>『VIVANT』別班の乃木憂助は、
どうやって選抜されたのか?
■<3>編集後記&お知らせ
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■<1>MJの近況
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わたしはほぼテレビを観ないのですが、
さいきんやたらVIVANTの名前を
耳にするので、一話だけ観てみました。
一話だけ観るつもりが、
すっかりハマりました。
なるほど、これは面白い。
垣根涼介の名作、『ワイルドソウル』に
似ているなぁと思いました。
個人と国家。
親と子。
愛情と憎悪。
いつの時代も、人々の心を惹きつけて
やまないテーマですね。
ところで、堺雅人演じる主人公の乃木は
優れた諜報員ですが、その卓越した
能力を単に称賛するのではなく、
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そもそも、乃木のような人間の能力を
どうやって見抜き、選抜するのか?
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というテーマでコラムを書きます。
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■<2>『VIVANT』別班の乃木憂助は、
どうやって選抜されたのか?
※ネタばれ含みます
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主人公の乃木憂助は、
表向きは商社に勤務する
ごく普通のサラリーマン。
しかし、その正体は自衛隊の非公認組織
「別班」に所属する諜報員という設定です。
わたしのように長年、
人材アセスメントに携わってきた
人間にとっては、別の意味でも
大変興味深いものがあります。
なぜなら、現在わたしたちが
企業の管理職や経営幹部の
選抜・育成に活用している
「アセスメントセンター」は、
歴史をさかのぼると、軍の将校や
諜報員の選抜と深い関係があるからです。
乃木が実際にどのような選抜試験を
受けたのか、ここでお話しする
わけではありません。
しかし、現実の世界では、
乃木のような諜報員を
選抜するための技術が、
現在の企業の人材マネジメントにも
活用されているのです。
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そもそも、アセスメントセンターは
軍事目的から生まれた
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アセスメントセンター(以下、AC)の
歴史をさかのぼると、1920年代の
ドイツに行き着きます。
第一次世界大戦後、敗戦国となった
ドイツは、ヴェルサイユ条約によって
軍備を厳しく制限されました。
限られた人員の中から、
いかに優秀な将校を選抜するのか。
その課題を解決するため、心理学を
応用した新しい選抜方法が開発されました。
これが現在のACの原型です。
従来の筆記試験や面接だけではなく、
集団討議や実際の行動を伴う
課題を通じて候補者の能力や適性を
見極めようとしたのです。
そして第二次世界大戦中、
この手法は英国軍の将校選抜や、
米国の戦略諜報局(OSS)における
諜報員の選抜へと発展していきます。
OSSは現在のCIAの
前身にあたる組織です。
1943年には、諜報活動や特殊任務に
従事する候補者の適性を見極めるため、
複数の試験や行動観察を組み合わせた
評価を実施していました。
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まさに『VIVANT』の世界
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その後、1950年代に米国の通信大手
AT&Tが管理職候補者の研究に
採用したことで、ACは
民間企業にも広がっていきました。
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では、なぜ筆記試験や面接では
いけなかったのか?
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考えてみれば当然のことです。
例えば、極限状態に置かれた
諜報員に必要なのは、
単に頭が良いことではありません。
限られた情報から状況を判断し、
予期せぬ出来事に対応し、
仲間と協力しながら、
時には自らの生命を危険にさらして
意思決定する。
果たして、そのような能力を
面接だけで見抜けるでしょうか。
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あなたは危機的状況に陥った際、
冷静に判断できますか?
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そう質問されたところで、
ほとんどの人は「はい、できます」と
答えるでしょう笑
そこで考案されたのが、
実際の任務に近い状況を
人工的につくり出し、
そこで発揮される行動を
観察するという方法です。
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人間の能力は、
言葉ではなく、
行動に表れる。
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これがACの根本的な考え方です。
現在のACでも、複数の
シミュレーション演習を通じて、
訓練を受けた複数のアセッサーが
行動を観察・記録し、一定の
評価基準に基づいて能力を判定します。
わたし自身、これまで10年以上に
わたって人材アセスメントに
携わってきました。
その中で実感するのは、普段の仕事では
見えにくい、その人の持ち味や課題が、
ACの中で鮮明に表れるということです。
例えば、平時には部下から
信頼されている管理職が、複数の問題に
同時に直面した途端、何も決められず
思考停止して意思決定を先送りしてしまう。
反対に、普段は目立たない人が、
困難な状況になると胆力を発揮し、
組織が求める成果に向かって
周囲の知恵を引き出し、チーム全体を
大きく前進させる。
ところで、あなたの会社では、
次世代の経営幹部や管理職を、
どのような基準で選抜
しているでしょうか?
これまでの業績でしょうか?
上司からの推薦でしょうか?
あるいは、人事考課でしょうか?
もちろん、いずれも重要な判断材料です。
しかし、現在の職務で優れた業績を
上げていることと、一段上の役職で
成果を上げられることは、
必ずしも同じではありません。
営業成績が優秀だからといって、
部下の力を引き出せるとは限らない。
優れた部長だからといって、
経営幹部として全社最適の
意思決定ができるとは限りません。
だからこそ、将来求められる役割を
想定した環境の中で、その人が
実際にどのような行動を発揮するかを
見極める必要があるのです。
もちろん、
一度の行動だけで人間の能力を
決めつけることはできません。
だからこそ、複数の状況と
複数の観察者が必要なのです。
ただし、ACによって
人材の能力や持ち味を可視化すれば、
それで人材育成が完了するわけでは
ありません。
むしろ、そこからが本番です。
一人ひとりの強みをどう活かし、
課題をどう認識し、次の役割で
成果を発揮できるよう、
どのような成長機会を提供するのか。
さらに、個人の成長を
組織全体の成長へと、
どのようにつなげていくのか。
人材の能力を見極めることが
目的ではありません。
その能力を、組織の未来に
つなげることが目的なのです。
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■<3>編集後記&お知らせ
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『VIVANT』の乃木憂助を
もしACで評価したら?
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分析力、
判断力、
状況対応力、
対人影響力、
ストレス耐性……。
おそらく非常に興味深い
評価結果が得られるでしょう。
一方、諜報活動に必要な能力と、
企業経営やマネジメントに
必要な能力は必ずしも同じでは
ありません。
卓越した諜報員が、
卓越した経営者になるとは
限らないのです。
むしろ経営者やリーダーには、
自分自身が問題を解決する
能力だけでなく、
他者の力を引き出し、組織全体で
成果を生み出す能力が求められます。
■次世代の経営幹部・管理職の選抜や育成にお悩みの企業様へ
貴社では、次世代の経営幹部や
管理職に求められる能力を、
明確に定義できているでしょうか。
また、その能力を客観的に見極め、
個々人の持ち味を活かした育成に
つなげられているでしょうか。
当社では、アセスメントセンターを
活用した人材の能力可視化から、
管理職育成、次世代経営幹部育成まで
一貫してご支援しています。
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