自律型人材育成|株式会社マネジメントバイフィロソフィア

ネッツトヨタ南国スタディツアー報告書〜「社員の幸せ」と「企業利益の両立」から学ぶ、本物の経営哲学〜

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【MBP】世界のMJ通信

【自律型で、生きていく】

<2025.10.22号 Vol.034>

※毎週水曜日11時に発行

 

ネッツトヨタ南国スタディツアー報告書

〜「社員の幸せ」と「企業利益の両立」から学ぶ、本物の経営哲学〜

 

▼第1弾書籍が販売になりました▼

自律型人材育成マネジメント

軍隊式と心理的安全を統合し、「人が辞める会社」から「人が成長する会社」へ

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■<1>MJの近況

■<2>ネッツトヨタ南国スタディツアー報告書

■<3>編集後記&お知らせ

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■<1>MJの近況

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最近、様々なご縁がつながったこともあり

8月頃からX(旧Twitter)での

発信に力を入れています。


 

「人が辞める会社」から

「人が成長する会社」に変わる

 

ヒントをほぼ毎日つぶやいています。
ぜひお気軽にフォローください。
https://x.com/Libertador6868

 

先々週はまるまる1週間、

四国の高知におりました。

 

今回の所期の目的は、

「ネッツトヨタ南国様」の

スタディツアー。

 

■顧客満足度1位:トヨタ販売会社(全国約280社)中で、顧客満足度No.1を継続して獲得

■日本経営品質賞:2002年11月に受賞

■ホワイト企業大賞:2015年に第1回ホワイト企業大賞を受賞

■低離職・低メンタル不調:ここ10年ほど、離職率は約1%程度

 

「社員の幸せ」と「企業利益の追求」という

一見矛盾する領域の両立、あるいは統合を

数十年にわたって続けてきた会社。

 

人材育成・組織開発コンサルタントとして

ぜひ一度は訪れたいと思っていました。

 

今回はそこで得られた学びや気づき、

教訓をまとめた報告書をシェアします。

長文になりますがお付き合いください。

 

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■<2>ネッツトヨタ南国スタディツアー報告書

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本日のコラムの想定読者:

・自身のマネジメント法で成果が出ずに悩んでいる中規模企業の経営者、CHRO

・人が採れない、育たない、辞めてしまう三重苦に苦しむ人事部門

・部下指導に悩むすべてのマネージャー

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■ネッツトヨタ南国株式会社について

・ネッツトヨタ南国株式会社という、高知県高知市に本社を置くトヨタ自動車の正規ディーラー(ネッツ店、旧トヨタビスタ店)がある

・創業家である横田英毅氏は、1980年の発足時に副社長として参画し、1987年に社長、2007年会長、2010年から相談役。“社員の幸せ”を経営の中心に据える哲学を長年にわたり実装してきた

・現在の代表取締役社長は伊藤俊人氏、従業員数は約150名、高知県内に計3店舗を有する

・2002年に日本経営品質賞を受賞、2015年に第1回ホワイト企業大賞を受賞

・全国のトヨタ系自動車ディーラー(約280社)の中で顧客満足度1位を10年以上連続して獲得、従業員定着率やメンタル不調の少なさでも知られており、近年の離職率は約1%程度である

 

 

■今回の視察の目的

今回の視察ツアーの目的は、単なる成功事例の学習に留まらず、以下の3点にあった。

1.同社の組織運営の根幹にある哲学を探ること

2.「横田氏だからできた」ではなく、普遍的に再現可能な原理原則を抽出すること

3.自社・他社問わず、再現性のある組織変革のフレームに展開すること

 

言い換えれば、視察の目的は「現在出来上がっている仕組み」ではなく「同社の根幹にある思想や哲学」に触れることであり、経営のOS(Operating System)としてのフィロソフィーをどう実装しているかを探る旅であった。

 

また、「創業者の横田氏だからできた」、「わたしには無理、当社には無理」の壁を越えて、いかなる業種業態や従業員規模、資本形態であっても普遍的に通用する組織運営の原理原則を導き出し、今回のスタディツアーで得られるであろう学びや気づきを1社でも多くの企業に対して「再現性のある取り組みや仕組み」として展開していくことにあった。

 

 

■横田英毅氏とは何者か(世界のMJ解釈)

横田英毅氏は、まさに「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)」を体現する経営者である。37歳で経営を任されて以来、「社員の幸せ」こそが経営の目的であるという信念を貫き通してきた。

 

彼の哲学は一貫して「善き生き方としての経営」である。

経営者としてよりも、人生哲学者としてのあり方を基盤にされており、その姿勢は古代ギリシャのアリストテレスの「幸福(Eudaimonia)」概念に通じる。

 

すなわち「幸福とは、徳(Arete)に基づく活動である」という思想を、現代日本企業の文脈で実践している稀有な存在である。

 

横田氏の言葉を借りれば、

「社員の幸せなくして、顧客の幸せも、企業の永続もあり得ない。」

この思想は単なるスローガンではなく、経営の判断基準として制度・文化・習慣にまで徹底的に落とし込まれている点に、同社の真の強さがある。

 

 

■「社員の幸せ」と「企業利益の追求」を両立させる秘訣

ネッツトヨタ南国の経営構造は、いわば「幸福経営(ウェルビーイング経営)のOSモデル」である。同社の仕組みは、次の4つの層で構成されている。

 

1.OS(経営の土台である思想・哲学)

同社のOSは「社員の幸せを実現する」という明確なフィロソフィーである。経営理念の中には、「全社員が人生の勝利者となる」という言葉が明記されており、利益の追求よりもまず「人の幸せ」を目的としている。

 

2.アプリケーション(制度・仕組み)

この哲学を具現化するために、制度や仕組みの面ではフラットな組織運営が採用されている。組織図に上下関係を示す役職を設けず、採用時点から「人柄」や「価値観の共感」を重視。ノルマや競争よりも、互いの成長を支え合う風土が制度的に設計されている。

 

3.ユーザー体験(現場文化)

現場レベルでは、自律的なチーム運営と心理的安全性の確立が重視されている。「上司」「部下」という関係ではなく、「仲間」として互いを尊重し合う文化が根づいており、社員一人ひとりが自ら考え、自ら行動する自律型の働き方を実現している。

 

4.成果(利益・ブランド)

その結果として、同社は単なる顧客満足を超えた「顧客感動」を創出している。顧客からは「あなたから買いたい」と指名されるようになり、結果的に中長期的な利益と企業の安定が実現されている。

 

特筆すべきは、この「社員満足→顧客満足→利益」という幸福の循環構造が、理念の抽象論にとどまらず、実際の経営システムとして徹底的に実装されている点である。トヨタ的なPDCAサイクルにたとえるならば、同社では「P(哲学)→ D(実践)→ C(省察)→ A(文化化)」という哲学循環モデルが成立していると言える。

 

・自社のフィロソフィーをOSとして根幹に据える

→それが組織の風土や文化や歴史になる

→人(社員)の主体性は「個の幸せ」と「成長」の両立から生まれる

→主体性を発揮する自律型の人材が、顧客の感動を創造する商品やサービスを生み出す

→ハード(諸制度、仕組み)やソフト(育成アプローチ、しかけ)はその都度変えてOK

→「満足」を超えて「感動」をもたらされた顧客は自社のファンになる

→「ほかの誰でもなくあなたから買いたい」が、「中長期的な利益の創出」につながる

→結果的に利益と経営と採用と育成と定着が安定する

 

理念が実践に移され、振り返りによって深まり、最終的には文化として根づく。この持続的な循環こそが、ネッツトヨタ南国が「幸せと利益の両立」を実現し続ける最大の理由である。

 

 

■視察を終えての感想

・今回の視察で最も印象的だったのは、創業者・横田相談役ではなく、社員一人ひとりがその哲学を語ることができ、理念が壁を飾る言葉ではなく日々の実践に落とし込まれていることである

・わたし自身が同社訪問の際に聞いてみたいと思ったことの9割以上は、社員1人ひとりの方との対話で昇華されていった

・誰もが自分の言葉で「会社の理念」、「仕事の意味」、「仲間の存在」を語っており、それは「教育」ではなく「文化」として根づいていったものである

・まさにフィロソフィーが組織に根付いている証左と感じた

 

・世界のMJとして希望を感じたのは、「この人だからできた」という神話の否定である

・どんな組織にも、「理念が真に根づいたとき、組織文化は自然と自走していく」ことを、この組織は体現していた

・つまり、「再現可能な幸福経営」である

 

・業種、規模、資本関係にかかわらず、「人間の尊厳を軸とする経営」こそが、持続的成長の唯一の道だと改めて確信した

・わたしは以前もこのような組織運営をされている会社と出会ったことがあり、ある種の既視感(デジャヴ)を覚えた

・「この人だからできた」、「わたしには、当社には無理」では決してないということは、組織運営に携わるすべての者にとって、ある種の希望である

 

 

■自社への応用展開の可能性と具体的な進め方

ネッツトヨタ南国の思想を自社へ応用するには「模倣」ではなく「翻訳」が必要である。つまり、同社のOSをそのまま導入するのではなく、自社の文脈に適した形で哲学を実装することが重要である。そのためには豊富な知見を有する外部の専門家のサポートを受けることが結果的には早道かつ王道であろう。

 

 

■まとめ

ネッツトヨタ南国の経営は、「幸福」と「合理性」を両立させる21世紀型マネジメントの理想形の一つである。この哲学を自社に取り入れる要諦は「理念を掲げることではなく、理念を日々の営みに翻訳すること」である。


 

経営とは「人間を信じ、人間を活かす」営みである。その原点に立ち戻る企業だけが、「人が辞める会社」ではなく、真に「人が成長する会社」へと進化できるのだ。

 

 

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■<3>編集後記&お知らせ

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わたしは組織の「きれいごと」と

「ど汚い」カオスを高次に統合する

組織開発ファシリテータであり、

 

主体性を発揮する自律型人材を

育成するコンサルタントですが、

 

同社は見事に一つの究極のゴールとして

体現している会社と感じました。

 

わたしがこの世の中でもっとも

聞きたくないセリフの1つが

 

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「〇○さんだからできた」

「わたしには無理」

「当社には無理」

という、やりもせずに

ハナから諦めるセリフです。

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今回のスタディツアーで得た学びと

氣づきを、他の企業様にも再現可能な

取り組みとして展開していくことが

わたしの使命の1つです。

 

その要諦はつかみ取ってきました。

今お付き合いがあるクライアント企業や

これから出会う企業様に小さくじわじわと、

しかし着実に、その実装のお手伝いを

させていただければと思っております。

 

 

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