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【MBP】世界のMJ通信
【自律型で、生きていく】
<2025.8.6号 Vol.024>
※毎週水曜日11時に発行
自律型人材育成を組織文化に
するために、経営者やリーダーに
求められる「2番目に重要な要素」とは?
株式会社マネジメントバイフィロソフィア
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■<1>MJの近況
■<2>自律型人材育成を組織文化にするために、
経営者やリーダーに求められる「2番目に重要な要素」とは?
■<3>編集後記&お知らせ
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■<1>MJの近況
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暑い日々が続きますね。
最近のわたしは
■組織開発ファシリテーションセミナー登壇
■組織開発ファシリテータ講座開講:9月~
■とあるビジネスコンテントへの応募
■外部メディアへの連載ほぼ決定
■協業セミナーの開催
といった、次年度の事業展開拡充にも
繋がるイベントが目白押しであります。
やはり、スピードと動いた量によって
自身の領域が広がっていきますね。
タイムマネジメントをしっかりせねば。
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■<2>自律型人材育成を組織文化にするために、
経営者やリーダーに求められる「2番目に重要な要素」とは?
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本日のコラムの想定読者:
・企業の経営者、部門長、人材育成責任者
・人や組織の本質的課題に向き合いたいと考える層
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前回のコラムの続き:
自律型人材育成を組織文化にするために、
経営者やリーダーに求められる「最も重要な要素」とは?
https://mbp-mj.jp/top-leader-1/
最も大事な要素があるならば、
2番目もあります。
3番目もあります。
全部で3つで終了の予定です。
前回のコラムでは、
経営者、あるいはリーダーに求められる
最も大事な要素は、
===========
常にご機嫌であること
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と書きました。
その次に大事な要素、
2番目に大事な要素は
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知行合一(ちこうごういつ)
=============
です。
知行合一とは、王陽明が唱えた
陽明学の命題の一つで、
「知ることと行うことは
同じ心の良知(人間に備わっている
善悪是非の判断能力)から発する
作用であり、分離不可能である」
とする考え方です。
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知識と行為は一体であり、
真の知識は実践によって
裏付けられていなければならない。
知っていて行わないのは、
未だ知らないことと同じである。
知っている以上は、
必ず行いにあらわれる。
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「行動を伴わない知識は未完成である」
とも言い表されます。
※注釈:
陽明学とは:現代風に言えば“やる気スイッチ”を自分の中に見つける哲学
学術的には:“知行合一”と“致良知”を軸にした実践哲学で、現代の内発的動機づけに通じる側面がある。「良知」は、道徳的な自己内省・天命感覚を含む重層的な概念であり、単なる「やる気が出る」、「気分が乗る」といった軽い感情とは一線を画す
近しい言葉に
言行一致(げんこういっち)
力愛不二(りきあいふに)
義理合一(ぎりごういつ)
などがあります。
フランスの実存主義の
哲学者メルロ=ポンティは
『弁証法の冒険』の中で、
=================
「知と実践はただ一つの実存における
二つの極である」
=================
という趣旨を述べています。
人間というのは相反する、
あるいは対極にある要素が
常に内在している
存在なのではないでしょうか。
強さと弱さ、
賢さと愚かさ、
美しさと汚さ、
優しさと○○(優しさの対義語とは
何なのでしょうか?)の両極が
内在されているのが人間と言えます。
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強さを活かすことは成果やノウハウにつながる
弱さを克服することは人格を磨くことにつながる
=============
現代日本人は総じて思考を深めよう、
あるいは徹底的に考え抜こうと
しないため(≒思考停止したままで
留まるように導かれてしまったため)、
短絡的に弱さを克服しようとします。
そんなに簡単に成し得るものではないのに。
それは「わたしなんてまだまだです」的な、
間違った謙虚さや謙遜(すなわち傲慢である
ことと同義)なるものに端を発します。
わたしが10年超の人材アセスメント実施で
たどり着いた真理の一つは以下の通りです:
=================
弱みの克服は、何年もかけ、それこそ
生きるか死ぬかの苦悩や葛藤を超克して
初めて成し遂げうるものです
=================
それを簡単に、
「自分の弱みを克服します」とか、
あるいは間違っても他者に(部下に)
「弱みを克服しろ」と押し付けては
いけません。
====================
それは人間というものを理解していません。
====================
弱みの克服を他者に押し付けるというのは、
人の痛みがわからないか、あるいは自身が
弱みを克服したつもりでいて、それが
まったくの独りよがりであることに
気づいていない、という証左とも言えます。
いずれにせよ経営者やリーダーに限らず、
組織人材マネジメントに携わる方で
あるならば、弱みの克服を他者に
押し付けるのではなく
いついかなるときも「この人の持ち味は
どこにあるのだろうか?」という観点で人を観て、
「この人の持ち味をどのように活かせば
組織成果につながるだろうか?」
という観点で人を活かさねばなりません。
===============
弱みの克服はひとえに、
本人の主体性に委ねられています
================
本人が「どうしても強みを活かすのみでは
次のステージに行けない」、
「新たな世界観が拓かれない」という葛藤と
真に向き合ったとき、それが初めて
その弱みを克服する機会と言えます。
それは
=======
自分を知る
他者を知る
人間を知る
世界を知る
=======
という哲学の根本命題と直結しています。
===================
「知る」ということはおそろしいことです
===================
世界には知らなくてもいいこと、
知らないほうが幸せに過ごせることは山ほどあります。
にもかかわらず、トップリーダーは
それを知らなければならない、
という命題に向き合う必要があります。
「知る」ということも、「意識レベル」の成長も不可逆的です。
「知って」しまった以上、もう「知らない」という状態には戻れません。
「知行合一」が、経営者やリーダーに
求められる二番目に大事な要素なのであれば
経営者やリーダーは
「知らなければ」ならないし、
「知った」以上は、
それに伴う継続的な行動が
なされなければなりません。
そして「知行合一」な生き様そのものが、
帰結的に経営者やリーダーの「器」を
大きくすることにつながります。
その生き様を止めるときが訪れた際には、
しなやかに次の経営者やリーダーに
道を譲ればいいだけのことです。
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「世界」はそうして循環しながら、
調和を保ちながらこれまでも在ったし、
これからも在り続けます。
==================
というわけで経営者、あるいは
リーダーに求められる
2番目に大事な要素は、わたしは
=============
知行合一(ちこうごういつ)
=============
であると考えます。
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■<3>編集後記&お知らせ
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この記事の原型を書いたのも
2022年9月、今から3年前です。
元々はもう少し強い調子で書いていましたが、
やはり3年前と今とで、考え方はまったく変わっていません。
むしろその考えは深まり、
2025年6月に上梓した書籍にも
「トップの器以上に組織は成長しない」
と明言しています(28ページ)
あれから3年。
変わったものもあれば、
変わらなかったものもあります。
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わたしの中で、
「リーダーの器が組織を決める」
という確信は、むしろ深まりました。
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言わずもがなですが、
経営者やトップリーダーは
■視座を高く
■視野を広く
持ち続ける必要があります。
そのための旅路、いわゆる
「リーダーシップジャーニー」は
しんどいにもほどがありましょう。
がしかし、
「人生にしんどさなくして、何が人生なのでしょうか。」
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リーダーシップジャーニーとは、
自分という存在を、
他人と関係しながら、
変態(メタモルフォーゼ)させる旅です。
==================
その過程で:
■無自覚な自分にぶち当たり、
■かっこわるい自分と真摯に向き合い、
■痛みや矛盾を味わい、
■選択の瞬間をくぐり抜け、
■意味と責任を背負いながら、
■「自分じゃない何か」へ進化していく。
と書くと何だかかっこいいですが
実態は「うまくいかないことも沢山あるし
会社で部下に嫌われたり泣いたりしながら
ようやく少しだけ人の話を聞けるようになる過程」です。
経営者やトップリーダーの立場なら、
「組織の成長とともに、自らの未熟さを突きつけられ、
痛みを通して“聴く器”を広げていくプロセス」と
言い換えることができます。
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リーダーシップジャーニーとは、
“自分という矛盾だらけの存在”を
引き受けて、他者とともに前に
進もうとする、終わらない旅です。
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この旅、ゴールはありません。行けども行けども、
「自分の器が試されるイベント」が出現します。
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それでも進みたい場合のパスポートは
ただ一つ:「自分が変わり続ける覚悟」
ようこそ、胃痛と成長の旅へ。
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■変わらないために変わり続ける
■かっこ悪い自分と向き合う
そのような真のリーダーとの
魂が震えるような邂逅を経て、
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やっぱり経営者やトップリーダーの
「知行合一」が人や組織を成長させ、
事業を導き、共同体に幸せと
明るい未来をもたらすのだなぁ
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(絶対数は多いとは言えないですが)
という場面にこれまで触れてきた
世界のMJより本日のコラムをお伝えしました。
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