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【MBP】世界のMJ通信
【自律型で、生きていく】
<2025.6.18号 Vol.016>
“人を観る”とはどういうことか?
「アセスメント・センターにおける
アセッサーのレベル別習熟度」
株式会社マネジメントバイフィロソフィア
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■<1>MJの近況
■<2>“人を観る”とはどういうことか?
「アセスメント・センターにおけるアセッサーのレベル別習熟度」
■<3>編集後記&お知らせ
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■<1>MJの近況
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当方の主たるコンサルティング領域は
B2Bの人材育成や組織変革ですが、
このたびスモールB2B、B2C向けに
「組織開発ファシリテータ養成コース」を
開催することになりました。
詳細は追ってご案内します。
本件の実施にあたり、ご尽力をいただいた
関係の皆様には厚く御礼申し上げます。
参加資格は以下のとおりです:
■東京都中小企業診断士協会の会員
■企業にお勤めのマネージャー層
■他士業、民間コンサルタント 等
本講座の特徴は以下のとおりです:
■各種人材アセスメントに関する特別な
トレーニングを受けた実践経験の豊富な
専門家がすべての講義を担当します
■【延べ100社 約7000人以上】
講師は様々な業界における全階層の
ビジネスパーソンの能力開発に携わる
現役の組織人事コンサルタントです
■講座は全4回、9月と10月の
隔週土曜、9時~12時に実施予定、
仕事に支障なく参加可能です
(事前・事後の課題あり)
■受講者限定の秘密のフェイスブック
グループにご招待、講師も含めて
交流を図れます(期間中は質問無制限)
■事前の課題図書あり
(申し込み後にご案内します)
長く続く講座にしたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回のコラムは前回の
「レベル別コーチの習熟度」に引き続き、
「アセッサー」という仕事について
考察をします。MJのコアスキル領域です。
本講座の準備が進む一方で、わたし自身の
原点とも言える『アセッサーという仕事』
について改めて思いを馳せました。
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■<2>“人を観る”とはどういうことか?
「アセスメント・センターにおける
アセッサーのレベル別習熟度」
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本日のコラムの想定読者:
主対象:人材育成や組織変革に関する
業務に従事する方
副対象:中規模企業の経営者、CHRO、
人事責任者、人事部門の方
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先週のコラムに引き続き(先週はコーチ)
今回はMJが個人的に整理した
「アセッサーのレベル別習熟度」を
お伝えします。
そもそもわたしは若かりし頃、
「組織人事コンサルタントになりたい」
「組織人事コンサルタントになって
人と組織を元気にする仕事をしたい」
と強く願い、深く望み、
そのきっかけとして中小企業診断士の
資格を取得しました。
しかし、診断士の資格を取ったからといって
いきなり組織人事コンサルタントになれる
わけではありません。
コンサルタントには実務と実績が必須です。
そんなわたしはある日、
「アセスメント・センター」という手法と
出会いました。
※アセスメント・センターは
各種人材アセスメントの手法の一つです
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その手法に触れた瞬間、わたしの中の
“人を見る目”が一変したのを、
今でも鮮明に覚えています。
組織の中において人を活かす、
あるいは人の持ち味を活かす上で、
このような画期的な手法があることを
それまで知りませんでした。
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ストレートに申し上げるならば、
経営者やトップがガチでハラを決めて
アセスメント・センターを採用にも育成にも
定着にも「本氣で継続活用」すれば、
どんな企業・業種・業態・業種でも
ナンバーワンかつオンリーワン企業に
なれる、と今でもわたしは確信しています。
もちろん事業の成否を決めるのは
「人」の要素だけではありません。しかし、
「経営資源」の中で最も重要な地位を占める
「人」に関して言えば、
「人」のことをしっかりやれば
うまくいかないはずがない、
あるいは成功確率が飛躍的に向上する、
ということです。
そのような、経営資源で最も重要な地位を
占める「人を観る」、「人間力を見極める」
仕事が、アセッサーの仕事です。
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「アセッサー」の5段階、レベル別習熟度
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■レベル1:基礎習得・型依存フェーズ
・先輩アセッサーやアドミニストレータの指導のもと、なんとかグループ討議の観察や面接演習の相手役をこなすことができるレベル
・コンセプチュアル系演習(インバスケット、ケーススタディ等)においては、観察視点や評価軸の捉え方が未整理で、記述やフィードバックに対する自信も乏しい
■レベル2:構造理解・評価展開フェーズ
・各種演習の構造や観察の視点が整理され、「誰がどのように行動していたか」を具体的に観察・記述できるようになってくるレベル
・とはいえ、評価基準の抽象度と具体的行動との対応関係にはまだ迷いがあり、他者との評価比較やコメントの質にばらつきがある
■レベル3:意味抽出・行動文脈化フェーズ
・単なる行動の観察にとどまらず、「なぜそのように振る舞ったのか」という内的構造(認知・意図・状況理解)を読み取りながら、意味ある評価を提示できるレベル
・受講者の言動をその場限りで評価せず、全体の文脈の中で「何がその人らしさか」を見出せるようになる
・経営向け最終報告会において、アドミニストレータの指導のもと必要な発信を担うことができる
■レベル4:統合評価・支援接続フェーズ
・観察、記述、判定、フィードバック、全体講評、報告書作成などすべての工程において一貫した「構造的支援」ができるレベル
・育成視点と選抜視点のバランスを取りながら、評価を単なる序列づけではなく「成長の機会」として再構成できる
・アドミニストレータとしての役割(運営設計、場づくり、研修要素の統合、経営向け最終報告会の実施)も一人で完遂できる
■レベル5:本質変容・支援者育成フェーズ
・アセッサーとしてもアドミニストレータとしても卓越した実行ができるだけでなく、受講者・クライアント企業・後進アセッサー・後進アドミニストレータそれぞれに対して価値を最大化できるレベル
・単なる行動評価にとどまらず、「人間の本質」、「リーダーの本質」、「組織の成熟」といった根本構造への問いを携えながら、個別セッションから全体講評、報告会までに一貫した哲学をもって支援を行う
以上が、MJが個人的に整理した
「アセッサーのレベル別習熟度」です。
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あなたはどのレベルに当てはまりますか?
ぜひチェックしてみてください!
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以下は完全にわたし個人の主観です。
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■ Zoom完結型アセスメントへの違和感
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2020年に起こったコロナ禍を経て、
「Zoomで人材アセスメント
(正しくはアセスメント・センター)、
全自動で人材の可視化」
そうしたキャッチコピーを目にする
機会が増えました。
ですが、こうした“人間の複雑さ”を
単一チャネルとスコアリングだけで
断定する流れには、
わたしは強い違和感を覚えます。
それはまるで、
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「人間をデータとして処理する行為」であり
「安価でスピーディなアセスメント」という
言葉の裏側には、「人を観る責任」が
ごっそり抜け落ちているのです。
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その結果、見せかけの数字だけ整え、
本質を外したままのミスマッチや不幸が
生じている現場を、わたしはこれまで
何度も目にしてきました。
人間は、行動の背後に「意図」があり、
その奥には「人生」がある。
そして、人生の奥には
「その人だけの物語」が宿っている。
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それを見ようとせず、数字や指標だけで
人を判断してしまえば、見失うのは
人材の本質だけではなく、
組織の未来そのものかもしれません。
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わたしの仲間のアセッサーは、
「この仕事は人が人を評価する、
神をも畏れぬ仕事だ。だからこそ
面白くて、深い」と言いました。
わたしも完全に同意です。
アセスメントは道具でありツールなので
正しく使えば人を救い、人を活かし、
組織を飛躍的に成長させることが
できますが、
誤った使用方法だと、この上なく人を傷つけ
企業価値をも毀損する残酷なツールです。
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■ アセスメントは道具であり、覚悟である
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“人を観る”という営みには、
道徳と倫理と美意識が不可欠です。
道具やツールは正しく使いましょう。
そうでないと、他者を傷つけるどころか
道具やツール(AIも含まれますね)に
使われる側になってしまいます。
わたしが主催する講座では
人と組織とアセスメントの光と影、
成功事例と致命的な失敗についても
経験談をお伝えしていければと思います。
単なる手法やノウハウではなく、
“人間をどう観るか”という覚悟と倫理も含めて、
お伝えしていければと思います。
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■<3>編集後記&お知らせ
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当社はマネジメント人材を育成する
コンサルティング会社として、
マネジメント人材のマネジメント力の
評価と強化を主たる生業としています。
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コアスキルは各種人材アセスメントです
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人を観る、人を活かす、人の心に火をつける
対人支援と組織変革の
プロフェッションカンパニーとして
今後も歩みを続けます。
今回は「アセッサー編」をお届けしました。
次号は「組織開発ファシリテータ編」を
予定しています。
自分自身と、他者と、組織全体を
“生成変化”させるファシリテーションとは
何か。ご期待ください。
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「本物のマネジメント人材」を育成する7つのステップ