■Executive Summary – プロジェクト全体像
課題:既存管理職層における属人的評価、短期業績偏重、変化対応力の不足が組織成長のボトルネックとなっており、それを解消すること
打ち手:「脳・心・体 × 18能力要件」と成人発達理論に基づくアセスメントセンターを全課長層に実施
可視化:強み・課題・役割適性・成長可能性を構造レベルで明確化
効果:評価の公平性向上、自己認識の深化、管理職層の底上げ、適材適所の配置判断が精緻化
未来:SMK内に「人が成長し、組織が進化するための地図」が生まれ、将来的な社内大学構想を含む中長期の人材戦略基盤が形成された
アセスメントセンターの実施と「18の能力要件」が、管理職の“本質”を浮かび上がらせる
SMK株式会社 人事部長 竹内道寛様 インタビュー
同社は、グローバルに展開する総合電子部品メーカーとして、車載・情報通信・家電・産業機器など幅広い分野の電子機器に不可欠なキーデバイスを提供しています。
同社では2025年度より既存管理職層を対象に、組織の再成長に向けた「本質的なマネジメント力の底上げ」を目的として、当社(株式会社マネジメントバイフィロソフィア、以下「MBP」という)のアセスメントセンターを用いた伴走型の研修を導入しました。
今回、導入の背景や狙い、実施後の手応え、アセスメントで見えた真実、そして今後の自社全体の人材育成や組織開発への展望について、人事責任者である竹内様にお話を伺いました。
■企業名:SMK株式会社
■主たる事業内容:コネクタ・スイッチなどの機構部品、リモコン・無線通信モジュールなどの入力デバイスの開発・製造・販売、ならびに受託開発・製造サービス 等
■従業員数:約4,000名(連結)
■拠点:日本国内、アジア(台湾、香港、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、韓国)、欧州(アイルランド、イギリス、フランス、ドイツ、ベルギー)、北米(アメリカ、メキシコ)
■対談者(肩書は対談当時のものです)
SMK株式会社
人事部長:竹内 道寛 様(写真左)
当社(株式会社マネジメントバイフィロソフィア)
代表取締役社長:森 淳(写真右)

■当社プログラム名
自律型人材育成プログラム(DIP:Develop Individual Program)
▼サービス詳細▼
https://mbp-mj.jp/consulting-services/
■同社におけるテーマ名
プロジェクト『山頂(さんちょう)』 フェーズ3:既存管理職向けマネジメント力強化研修
「アセスメントセンターは、私たちが“変わり始めた起点”でした」

——SMK株式会社 人事部長 竹内道寛 様
■当社に発注した経緯、あるいは事前に置かれていた状況や課題は何でしたか?:
いかなる企業においても、課長は「ビジネスの存続と成長」の要です。ここが弱いままだと会社は変われない。これまでの当社は、短期的な業績や属人的な評価が管理職登用の判断の中心となっていたことは事実です。
しかし、これは本来、マネジメントのあるべき姿とは言えません。
当社は今年、創業100年を迎えました。このタイミングで、思い切った構造改革や組織変革に踏み込む必要があったのです。
そのために、当社の課長層(約50-60名)を主たる対象として、アセスメントの導入と本格的なマネジメント力の強化を決断しました。
「18の能力要件を浸透させたい」
MBPへの発注理由は、100社以上にアセスメントセンターを実施してきた実績と知見もさることながら、評価軸である「18の能力要件の独自性そのもの」が一番の決め手です。
MBPが独自に開発した「脳と心と体」循環→統合モデルⓇによる18の能力要件は、一般的なコンピテンシーやディメンションとは異なり、成人発達理論を理論基盤に持つモデルです。
※「脳と心と体」循環→統合モデルⓇは当社の登録商標です
成人発達理論では、「人の器や意識構造は、一生涯にわたって発達し続ける可能性がある」とされています。MBPの能力要件は、単なるマネジメント上の行動特性ではなく、
・脳:思考の質
・心:関係性の持ち方
・体:自己の扱い方
まで、マネジメント遂行に求められる能力を統合的に扱うことができます。
「能力要件そのものに腹落ち感がなければ、制度をどれだけ変えても意味がない。」
MBPの18の能力要件は、「そもそも人をどう観るべきなのか?」、「どのようなプロセスを経てマネジメントに求められる能力は開発されるのか?」という問いに対して、明確な方向性を示してくれます。
課長は人事評価における一次評定者です。この18の能力要件を、まずは一次評定者である課長層に身をもって体感してもらい、そして組織全体に浸透させる。それは、先々に予定している制度改定までを見据えた、組織変革を成功に導く第一歩なのです。
■実際の研修はどんな内容でしたか?:
本研修は伴走型のプログラムであり、STEP1は計2日間行いました。
初日にアセスメントセンターを実施、2日目は初日の振り返りとマネジメント力強化に向けた研修でした。

※18の能力要件の解説
STEP2は、STEP1の3か月後にフォローアップ研修を行います。
フォローアップの目的は、参加者各人が経験学習サイクルを回し続け、組織・人材マネジメントを高い次元で自走させることです。
「研修は、やりっぱなしだと効果はありません」
MBPのフォローアップ研修のあとも、課長層の上司と人事が三位一体となって定期的に面談を行い、組織全体としてマネジメント力を底上げさせるための施策を遂行していきます。

※STEP2フォローアップ研修
「人材アセスメントを用いた研修は、『最短距離で成果が得られる人材育成プログラムである』と捉えています」
特にアセスメントセンターは、個々のマネジメント力が定量的に可視化されます。また、マネジメントにおける強みと弱みが明らかになります。
今回の研修を通じて、
・脳:思考力
・心:対人力
・体:実行力
といった能力要件ごとの強みと弱みが可視化され、管理職自身の自己客観視が格段に深まりました。
それにより能力開発の方向性も明確になり、能力要件そのものが自然と自社に浸透していきます。そしてその後の制度改定にもつながっていく。このようなストーリーを描いています。
マネジメントに求められる能力を正当に評価し、それを制度化し、それに基づいた教育をフローとして循環させることで、自社のさらなる成長を目指します。
私見ですが、成人発達理論は、少なくとも日本企業の経営陣以上は必ず理解すべき領域であると認識しています。この30年で、日本は世界と相当に差がついてしまったと考えています。このままだと日本だけが弱くなってしまう。そういう危機感を持っています。
能力要件を導入するだけではなく、「人間の意識構造」そのものを理解しなければ、真の変革は起きません。

※混迷の時代に求められる組織・人材マネジメントサイクルの解説
■マネジメントバイフィロソフィアのサービスを、どんなお悩みや課題をお持ちの企業や経営者にお勧めしたいですか?:
率直に申し上げると、どのような企業でも実施したほうがよいと思います。
昔は、例えば業界トップの企業は人材を豊富に採用することができました。
また、ビジネス環境がハードであればあるほど、適切なストレッチアサイン(修羅場)の場が用意されており、社員はその中で自然と選抜が進み、あるいは競争の中で鍛えられる側面があったと思います。
しかしながら、今の時代はそうではありません。
特に業界トップではない企業は、本質的な人材育成に労力をかけざるを得ません。だからこそ、外部の専門家を使って高品質なアセスメントを実施するべきです。そのほうが、本質的な人材育成の底上げを圧倒的なスピード感で実現できます。
■当社代表森淳より、インタビューを終えて:
「本氣と誠の人である」
それが竹内様の印象です。
アセスメントセンターとは、「マネジメント」に関する実践的な能力を評価する手法の1つです。個人のマネジメント力や資質が、未知の領域でどのように発揮されるかを発見し、将来における行動を高い確度で診断できる「ビジネスシミュレーションによる人材アセスメント」です。
具体的な手法は以下のとおりです。
・受講者のマネジメント力や資質が
・外面に観察しやすい「行動」として現れる状況を
・行動主義心理学の観点に基づいて設計された複数の演習課題を用いて作り出し
・訓練された専門家が一定の行動観察技法に基づいて観察や記録を行い
・事前に設定した能力要件に基づいて評定や評価を行う
上記のプロセスを経ることで、個々の受講者の能力の発揮度合いや資質が明確になり、「自律型人材」を見極める可能性も高めることができます。次世代を担う経営幹部や後継者候補の選抜にも役立つため、一般的にはその観点に多くの興味や関心が注がれます。
しかし、竹内様の視点はそれだけにとどまりませんでした。
当社の18の能力要件そのものや成人発達理論の観点に基づき、「如何に自社のマネジメント層の底上げを図り、本質的な自社の成長に繋げていくか」まで見据えていたのです。
日本企業の再生を信念として携え、自社のマネジメント層を誰一人取り残さず、全体的な人材育成を進める。
そうした意味で、「本氣と誠の人」であると感じました。
成人発達理論は、「人は変われる」という未来に向けての希望を示した「生き方の地図」です
成人発達理論は本来、
・価値観の幅
・視点の多さ
・複雑性への対処能力
・自己・他者・システムの扱い方
といった「認知の構造」を扱っています。
人をラベリングするためのツールでは決してありません。
成人発達理論は、すべての人がより自然体で、より本来性を発揮できる場所を見つけるための理論です。また、発達段階は“今の状態”であって、“未来の可能性を縛るもの”ではありません。
成人発達理論は、「組織の変革期」にこそ、未来に向けた希望を指し示す“光”になります
組織が変革期にあるとき、人にも組織にも成長痛は必ず生じます。しかしその痛みは、衰退の痛みではなく、未来へ向けて構造が更新されている証拠 です。
■「人は、何歳になっても発達することができる。それこそ生涯をかけて」
■「人の意識構造は、経験と省察によって必ず変わる」
■「人は、課せられた役割と必要能力に応じて成長できる」
迷える本物に光があたる世界へ。
そして、すべての人が自らの持ち味を活かして、輝ける場所でイキイキと輝く“自律型共創社会”を創造する。
竹内様へのインタビューは、「当社株式会社マネジメントバイフィロソフィアの設立に込めた想い」を、その原点に還ることができる時間となりました。
▼株式会社マネジメントバイフィロソフィア設立に込めた想い▼
【当社より】こんな悩みや課題をお持ちの企業や経営者の方におすすめです:
・管理職の選抜や育成の基準が曖昧である
・現場からは管理職への不満の声が挙がる
・管理職レベルの現状を正しく把握したい
・他社と比較した際の自社の社員のレベルを知りたい
・組織文化を「属人的評価」から脱却させたい
・次の経営トップを支える経営幹部候補の選抜や育成をしたい
→アセスメントセンターは、「評価と育成」を同時に進める強力な手法です
<各種ご案内>
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※本記事の著作権は株式会社マネジメントバイフィロソフィアにあります
※本記事はSMK株式会社様の許諾を得て掲載しております

