自律型人材育成|株式会社マネジメントバイフィロソフィア

【超重要】日本的マネジメント史の100年とこれからの組織設計_その1

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【MBP】世界のMJ通信

【自律型で、生きていく】

<2025.8.20号 Vol.026>

※毎週水曜日11時に発行

日本的マネジメント史の100年と

これからの組織設計_その1

 

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自律型人材育成マネジメント

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■<1>MJの近況

■<2>日本的マネジメント史の100年とこれからの組織設計_その1

■<3>編集後記&お知らせ

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■<1>MJの近況

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夏休み、エンジョイされていますか?

 

わたしは仕事=本氣の趣味=人生そのもの

ですので、仕事とプライベートの境が

曖昧な、でも大変に充実した日々を過ごしています。

 

8月から10月にかけては新規の挑戦が

多く続きますので、これからどんな

未知との出会いがあるのか?

今からワクワクしています。

 

もちろん「心身の健康」がすべての

基盤ですので、運動→睡眠→食事の

バランスもとても氣を使っています。

 

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■<2>日本的マネジメント史の100年と

これからの組織設計_その1

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本日のコラムの想定読者:

・企業の経営者、部門長、人材育成責任者

・人や組織の本質的課題に向き合いたいと考える層

・すべてのマネージャー

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本日の記事は割とガチめです。

 

なぜ日本企業はマネジメントを管理と

勘違いしてきたのか?

 

なぜ今の日本企業は、あるいは日本社会は

圧倒的に生産性が低いのか?

 

今までヴェールに包まれていた

その謎を解き明かします。

 

 

MBOという言葉を聞いたことは

ありますか?いわゆる一般的に

「目標管理」と言われるものです。

 

「マネジメントの父」と言われる

ピーター・ドラッカーが提唱したもので

 

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正しくは

Management By Objectives and Self-control

すなわち、「目標と自己管理による

マネジメント」です。

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一方、これまでの日本企業の

マネジメント史を振り返ると、

 

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日本企業はMBOを勘違いし続けてきました。

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未だに多くの企業が

「上司が部下の目標をノルマとして

締め付ける」ことと真逆に捉えています。

 

わたしはそのことに大きな憂いがあり、

これまで多くの企業の管理職研修で

そのことを伝え続けてきました。

 

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マネジメントは管理ではない

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そのことを研修内でお伝えすると

 

「本当ですか?」

「知らなかったです」

という声を、実に多く耳にします。

 

では、なぜ日本企業は

「マネジメント=管理」と

勘違いし続けてきたのか?

 

今回の記事では、その悲しい

日本的マネジメント誤訳の歴史を

紐解いてみたいと思います。

 

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結論から言うと:マネジメントの

本来の意味の勘違いが、今も出口を

見出せていない日本企業全体の

生産性を低下させ、

自律型人材の育成を阻害しています。

時代の背景としては、いよいよ

その「勘違い」から脱する時期が来ています。

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長くなるので、数回に分けてシリーズでお届けします。

 

■目次:

1.原初の期(1910~30年代)

→テイラー主義(科学的管理法)が日本に導入される

2.マネジメント誤訳の草創期(1940〜50年代)

→アメリカ経営学の輸入とマネジメントの誤訳の種が日本という土壌に撒かれる

 

3.文化的ブラックボックス期(1960〜80年代)

→マネジメントの「本来の思想」が製造業的な「管理文化」に飲み込まれる

 

 

4.バブル崩壊と成果主義ノルマ化期(1990〜2000年代前半)

→MBOが評価制度として普及し、数値ノルマ化、やらされ感が蔓延する

 

5.KPI至上主義期(2000年代後半〜2010年代半ば)

→IT化により短期指標がマネジメントを支配、人がマシーンになる

 

6.自律回復模索期(2010年代後半〜現在)

→OKRなど自己決定型管理の再発見と日本の歴史的・文化的なせめぎ合い

 

 

▼以下、本編▼

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【原初の期:1910〜30年代】

・テイラー主義(科学的管理法)が日本に導入される

 

【マネジメント誤訳の草創期:1940年代〜1950年代】

「アメリカ経営学の輸入→誤訳の種」を、日本という歴史的文化の土壌にばら撒く

 

・第二次世界大戦後、アメリカから経営学が大量に導入される

 

・経営学の草創期の主要訳者(戦後〜1950年代初頭)に経済学者や官僚出身者が多く、役所的な「統制」的世界観を持つ層で、「統制・運営」の感覚で「マネジメント=管理」と直訳する

 

・理由は単純で、当時の日本語に「人と組織を成果に導く」というニュアンスを持つ言葉が存在せず、誤訳はそのまま放置されることになる

 

・そもそも、日本の組織は戦前から官僚制的ピラミッド構造で動いており、「上が下を監督・命令・統制する」文化が支配的であり、この土壌だと management を「管理」と呼ぶほうが現場的にも受け入れられやすかった

 

・特に製造業で広まった「品質管理(QC)」や「工程管理」のように、数値やプロセスを統制することがマネジメントの主業務のように捉えられた

 

 

【文化的ブラックボックス期:1960〜80年代】

本来のMBOやマネジメントの思想が、日本版の製造業的な「管理文化」に飲み込まれ、以降の「目標=ノルマ化」を不可避にした暗黒時代

 

1960年代:品質管理・工程管理の黄金期/製造業QCブームで「管理」イメージが固定

・TQC(Total Quality Control)、生産管理、工程管理などが高度経済成長期の製造現場に浸透

 

・高度経済成長の中で製造業が経済の中心に、この時点で「マネジメント=人を通じて成果を出す」より「マネジメント=数字と行動を監視」が現場では常識化する

 

・TQC(Total Quality Control)やQCサークル活動が全国に普及

 

・「管理=数値や工程を締め上げてバラつきを潰す、ミスをなくす」という発想や認識が業界標準となり、マネジメントの代名詞になる

 

・管理職は「部下の行動を管理・監督し、数値で縛る人」という役割認識が強化

 

1970年代:ドラッカー登場によりマネジメント思想の翻訳は届くが浸透せず、日本の歴史的・文化的慣性が勝つ

・ドラッカー、マグレガー、リッカートなど人間尊重型のマネジメント理論が邦訳され始める

 

・ドラッカーの著作の翻訳者である上田惇生は「マネジメントを管理と訳すのは誤訳に近い」と一貫して警鐘を鳴らし続ける

 

・しかし現場は既に「管理と統制の文化」が骨の髄まで染み込み、ドラッカーの「人を活かす」思想はごく一部しか理解されず。「品質・工程・納期」の三本柱を死守することが最優先で、理論は「机上の空論」扱いされる

 

・当時の管理職研修は「指示の出し方」、「報告の受け方」などトップダウンが前面

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いかがでしたでしょうか?

 

次回は1980年代における

「日本型マネジメント」の黄金期。

日本社会全体がバブルに狂乱します。

 

終身雇用+年功序列+集団主義の全盛期に

“管理型”が黄金パターンと化し

日本型マネジメント神話が確立した

時代についてお届けします。

 

 

【本コラムの最後に】

100年続いた

「上司が管理する時代」は静かに、

しかし確実に終わりを迎えています。

 

その先に訪れるのは、人とAIが協働し、

管理から解放された「生成の時代」。

 

では、そんな時代において

マネジメントはどんな思想を持ち

どのように設計されるべきなのか。

 


その2では

未来の組織を形づくる思想と、

実装の全貌を解き明かします。

 

さて、質問です。

あなたの組織は、これからも「管理する時代」の

延長線を歩みますか?


 

それとも、本当の意味で人を活かし、

人とAIが互いの力を最大限に引き出しあう、

新たな時代に踏み出しますか?

 

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■<3>編集後記&お知らせ

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今回から始まるシリーズは、

わたしが当社

株式会社マネジメントバイフィロソフィアを

設立して、最も伝えたかったことです。

 

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マネジメントは管理ではない。

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上司が部下の目標をノルマとして

締め付けるのではなく、

 

・自社の哲学の確立

・知と愛

・探究心と本質

によって

人を、そして組織をマネジメントしていく。

 

人も組織も、【自律型で、生きていく】

 

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それが、これからの時代の

「マネジメントのあるべき姿」である

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複数回のシリーズに分けてお届けしていきます。

 

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